交代寄合とは、江戸幕府における旗本の家格の一つですが、旗本が江戸在府で若年寄支配であるのに対し、交代寄合は、領地に所在して老中支配であったため大名と同等です。

参勤交代も行いましたが、自主的なものだったようです。

また、交代寄合は、交通の要衝に陣屋を持っており、横田陣屋は新潟県新発田出身の溝口氏の陣屋となります。

溝口氏は、丹羽長秀の家臣にはじまり、若狭国高浜城5000石、信長の死後は豊臣秀吉に仕え、明智光秀や柴田勝家の遺臣たちを迎え入れて家臣団を構成していきました。

横田溝口家初代は、溝口宣秋ですが、はじめは新潟県新発田市切梅に陣屋をおいたため、切梅溝口家と呼ばれます。

その後、溝口宣就の代に、陣屋を陸奥国岩瀬郡横田福島県須賀川市横田に移したため、その後は横田溝口家と称されるようになりました。

大名と同じ格式の交代寄合・溝口氏の陣屋にある桜であることから、御殿桜と呼ばれています。

樹齢300年のエドヒガンのシダレザクラで、花数が多く、こんもりとしたピンク色が特徴です。

樹高12メートル、根回り3.5メートルと大きく、写真を撮るなら、遠目からのほうがおすすめです。

横田陣屋は、現在は個人の宅地となっていますが、周囲には桜が植えられ、花見の場所として人気があります。

「横田陣屋の御殿桜」は、須賀川市の指定天然記念物に指定され、その案内板が建っています。

横田陣屋御殿桜までは、JR須賀川駅から出ている路線バスで行くことができます。

路線バスの本数が少ないため、往復の時間を確認してスケジュールを立てたほうが良いです。

乗車料金は730円、SUICAなどは使用できませんので、現金を用意してください。