江戸時代の白河宿には、約50件の旅籠が軒を連ね、大名や幕府の役人が宿泊する本陣・脇本陣が置かれていました。

脇本陣は、公用で宿泊する本陣に準ずる宿のことで、一般の旅籠よりも格式の高い宿です。 

脇本陣柳屋の蔵座敷と、勧工場（かんこうば）は、白河市の歴史的風致形成建造物に指定されています。

脇本陣柳屋の蔵座敷は、文化元年（1804年）の建築で、明治14年（1881年）には、明治天皇が東北・北海道巡幸した際に、往路は休憩所、復路は宿泊所として利用されました。

また、戊辰戦争白河口の戦いの際には、新選組の斎藤一局長以下、106名が宿泊したと記録されています。

大規模改修を行い、2018年3月に完成。

それ以降、柳屋の蔵座敷の見学ができるようになりました。

また、施設利用も可能で、蔵座敷全体と前庭のすべてを借りると、1時間880円とお手頃です。

見学は無料なので、借りる前に下見をすると良いのではないでしょう。

休館日：月曜日

脇本陣柳屋の蔵座敷の前の敷地には、廃墟？と感じるほど、古い建物が残されています。

これが、勧工場です。

勧工場とは、明治10年（1878年）に、上野で第1回内国博覧会が開催され、陳列所で売れ残った出品物を販売のための陳列所です。

白河市に残る勧工場は、小槌屋商会の跡地で、明治末期に建設されました。

この建造物は、白河における初めての百貨店であり、当時の原型をとどめています。

管理人の方にお願いすれば、内部の見学が可能です。

脇本陣柳屋の蔵座敷と勧工場までは、JR白河駅から徒歩で10分から15分程度。

旧奥州街道に面していますが、街道には鉤型に曲がっているため、もしかすると道に迷うかもしれません。