福島市 土湯温泉

福島市 土湯温泉

千年以上の歴史をもつ土湯温泉

土湯温泉は、JR福島駅から路線バスで45分の山間の温泉地です。

 

歴史は古く、文治5年(1189年)「吾妻鏡(あづまかがみ)」に土湯の名称があります。

 

吾妻山に近いため、修験者の生活の場として、江戸時代には宿場町として、土湯温泉は栄えてきました。

 

東北地方では、温泉が豊富なことから、農閑期には湯治という習慣がありますが、土湯温泉も湯治場として愛されてきました。

 

「突き湯」から「土湯」へ

「土湯」という地名は、「突き湯」から変化した地名だと言われています。

 

神話の時代、大穴貴命(おおあなむちのみこと)が、陸奥の国に下るときに、土湯温泉の中心をながれる荒川のほとりを手にしていた鉾(ほこ)で突いたところ、そのさきから湯が湧いたことから「突き湯」と呼ばれるようになったという神話です。

 

大穴貴命(おおあなむちのみこと)は大国主命(おおくにぬしのみこと)と同一と言われている神さまです。

 

福島市 土湯温泉
福島市 土湯温泉
温泉が流れ込む荒川

聖徳太子と秦河勝の開湯伝説

秦河勝(はたのかわかつ)は渡来人で、聖徳太子の側近であり、広隆寺を建設した人物として知られています。

 

その秦河勝が、聖徳太子の命令で、用明天皇の病気回復祈願と、仏教の布教のために東国に旅していたとき、秦河勝は半身不随の病気になってしまいます。

 

その秦河勝の夢枕に聖徳太子が現れ、「岩代国の突き湯に霊泉あり」と告げました。

 

秦河勝は、聖徳太子のお告げにしたがい温泉を発見し、この温泉に入ったところ半身不随の病から回復したというのです。

 

これが土湯温泉だと言われています。

 

土湯温泉に泊まったら翌日は日帰り湯

土湯温泉は、温泉街から2キロほど離れた場所にある温泉組合共同の源泉からひかれています。

 

この源泉からは、常時150℃前後の温泉蒸気と熱水が湧き上がっており、そこに吾妻山系の雪解け水と天然の湧水が加わっています。

 

70ヶ所の源泉があり、単純温泉から硫黄泉まで、さまざまな源泉がブレンドされてた状態で宿まで引湯されています。

 

宿によっては、独自の自噴泉という場合もありますので、利用の前に確認するとよいです。

 

福島市 土湯温泉
ニュー山水荘の源泉表示
福島市 土湯温泉
ニュー山水荘自慢の露天風呂「太子の湯」
福島市 土湯温泉
ニュー山水荘の展望風呂

 

土湯温泉では、日帰り湯の情報が掲示されています。

 

路線バスの終点に掲示板がありますから、お見逃し無く!

 

いろいろな種類の源泉がありますから、土湯温泉に行ったら何か所も温泉に浸かるのがおすすめなのです。

 

福島市 土湯温泉

散歩で疲れたら足湯めぐり

土湯温泉を起点に、ハイキングを楽しんだり、パワースポット巡りをしたり、土湯峠まで足を延ばしたり、様々な楽しみ方があります。

 

温泉街は大きくありませんが、山に囲まれていて急な坂道が多いので、散歩のついでに足湯でひと息つきませんか。

 

土湯温泉には、数十メートル間隔で、4つも足湯があるからです。

 

福島市 土湯温泉
荒川大橋のたもとにあるかじかの湯
福島市 土湯温泉
かじかの湯の反対側にあるきぼっこの湯
福島市 土湯温泉
月乃湯橋たもとにある月のゆぶじぇ

 

このほかに、親水公園の入り口に、土ゆっこという足湯があります。

こけしの里 土湯温泉

160年以上の歴史をもつ土湯のこけし。

 

土湯こけしの特色は、簡素で素朴な美しさだと言われています。

 

頭と胴がはめ込み式で、頭を回すとキイキイと音がします。

 

福島市 土湯温泉
土湯温泉のシンボル
福島市 土湯温泉
こけしと一緒に記念撮影
福島市 土湯温泉
こけし雛がずらり

 

こけしを集めた「西田記念館」が、アンナガーデンにありますので、周辺観光にどうぞ。


福島市 地ビールとこけし記念館 アンナガーデン

 

福島市内から土湯温泉方面にいくと、アンナガーデンがあります。

東邦銀行教育・文化財団が運営する「原郷のこけし群西田記念館」を中心に、聖アンナ教会、みちのく福島路ビールなど、多数の英国調の建築群がならびます。

詳しくはこちら⇒


土湯温泉の歴史がわかるパワースポット

聖徳太子が、土湯温泉の開湯伝説に登場しますが、この伝説には続きがあります。

 

病から回復した秦河勝の夢枕に、ふたたび聖徳太子が現れ、「この地にとどまり、病気に苦しむ人々を救いたい」とお告げになったので、聖徳太子のお姿の像をお祀りしたのだそうです。

 

聖徳太子の像が安置され、旧暦の1月21日に「太子講」が毎年おこなわれます。

 

現在の御堂は、亨保11年8月に再建されたもので、300年近く前のものになります。

 

福島市 土湯温泉
聖徳太子堂

 

聖徳太子堂の左にある石段をのぼると、薬師こけし堂があります。

 

こちらは、土湯温泉の守護である薬師瑠璃光如来と、こけし工人の祖と言われる惟喬親王(これたかしんのう)が祀られています。

 

福島市 土湯温泉
薬師こけし堂

JR福島駅から路線バスで45分

土湯温泉までは、JR福島駅前から路線バスで45分ほど。

 

1時間に1本程度、土湯温泉行きがありますので、これに乗ってください。

 

バス料金は860円で、SUICAなど交通系電子マネーは使えません。

 

路線バスは福島市内をとおるため、少し時間がかかります。

 

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