須賀川市の翠ヶ丘公園は、市街地中心部に位置し、市の木であるアカマツを主体とした自然林の中には、梅林広場や北芝生広場、展望デッキ、わんぱく広場のほか、新池や博物館、老人憩の家などがあり、緑豊かな総合公園として、多くの利用者に親しまれています。 

また、日本三大火祭りの一つ「松明あかし」の会場としても愛されています。

翠ヶ丘公園は大正12年に妙見山を公園としたのがはじまりで、大正14年に須賀川城主・二階堂氏の居城があった愛宕山を公園に含め、その後、昭和34年にこれらの地区に、五老山や武家屋敷跡地である保土原舘、南舘などの周辺地域も含め、都市公園として整備されました。

平成元年7月「日本の都市公園100選」に選定され、また、平成2年2月には「福島県ふるさとアメニティ地区」に認定されました。

さらに、公園内を流れる「須賀川」(通称下の川)の両岸は約１kmにわたり196本の桜が並木をなし、桜の名所としても知られています。 

翠ヶ丘公園へと続く坂には、「多代女坂（たよじょさか）」と名付けられたものがあります。

「多代女坂（たよじょさか）」の名前は、安永5年（1776）に須賀川に生まれた歌人・市原多代女に由来します。多代女は家業のつくり酒屋の後を継ぎますが、31歳のときに夫を病気で亡くします。

そんなとき、近所に住んでいた俳人・石井雨考（いしいうこう）に俳句を教えられ、俳句の道に入りました。

家業の仕事をしながら、俳句の勉強を熱心に行い、全国的にも有名な女流俳人のひとりとなりました。

90歳で亡くなるまでに、4000以上の俳句を残し、「浅香市集」はその代表作のひとつです。

また、多代女は一生を通じて、松尾芭蕉を尊敬し、その伝統を残そうとしました。

「奥の細道」で須賀川を訪れた松尾芭蕉の俳句を、のちの人に伝えるため、多くの句碑を建てたり、弟子を育てたりして地元の俳句の発展に一生を捧げたといわれています。

うつくしま電子事典＜市原多代女＞より

市原家の地所の一部が、このような形でいまに伝えられています。

広々とした翠ケ丘公園は、「Park-PFI」で、飲食店「Jadegreen cafe」や温浴施設が整備されつつあります。

新池の近くが整備されつつあるエリアになります。

「Jadegreen cafe」は、犬と同伴できるカフェとなっていて、テラス席ではペットと一緒に飲食が楽しめます。

ソフトドリンクや軽食のほかに、アルコール類も提供されているので、大人同士の息抜きの場所としても注目です。