前沢曲家集落とは?
前沢曲家集落は、平成23年6月に「南会津町前沢伝統的建造物群保存地区」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
前沢の集落は、文禄年間(1592年~1595年)に、蘆名氏の家臣の山内氏勝(やまのうちうじかつ)の家人である小勝入道沢西が移り住んだことにはじまるとされています。
山内氏は、会津郡伊北郷を支配した国人でしたが、天正17年(1589年)の摺上原の戦いで蘆名氏は伊達政宗に滅ぼされ、山内氏勝は敗走しつつも、伊達政宗に抵抗しますが、旧蘆名領は蒲生氏郷に与えられたために、所領を失いました。
前沢曲家集落は、明治40年(1907年)、集落のほとんどの建物を焼失した大火の後に、周辺地域の大工の手により一斉に再建されたため、統一的な意匠による景観が形成されました。
茅葺屋根の曲家がなだらかな坂に立ち並ぶ姿は、南会津の山村をそのまま残す景観となっています。
曲家とは、家族同様に大切にされてきた農耕馬と人が一緒に生活する構造となっている住宅のことです。
集落内には、曲家13棟を含む伝統的家屋が19棟あり、現在も人々が生活するエリアとなっています。
前沢曲家集落は、生活空間でもあるため、資料館があり、曲家の内部を見学することができます。
明り取りの窓、梁と貫の木組み、前包みの彫刻、狐格子など、凝った意匠の高い造りとなっています。
昭和30年代くらいまでは、福島県内の住宅によく見られた曲家ですが、松材の板戸、廊下など、よく磨き込まれていて光ります。
「うつくしまの音30選」に選ばれた水車とバッタリ
館岩川を渡って前沢曲家集落にはいると、水車とバッタリがあります。
水車をつたい流れる水の音と、米をつくバッタリの音は、「うつくしまの音30選」に選ばれています。
前沢曲家集落は、標高670メートルの緩やかな斜面にあります。
冬季の平均気温は0度以下、積雪量は1.5メートルを超える豪雪地帯です。
ドラマ「リーガルハイ」のロケ地
日本のふるさと、日本の山村の原風景として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている前沢曲家集落は、ドラマ「リーガルハイ」のロケ地として知られています。
ドラマを見たことがある人なら、館岩川を渡って集落に足を踏み入れた途端に、既視感に襲われるのではないでしょうか。
直径3メートルの大杉跡
前沢曲家資料館の裏手には、直径3メートル、根回り11メートルという大杉の切り株が保存されています。
かつては「お杉」と呼ばれていた村のシンボルのような大木でしたが、平成4年8月7日の突風で倒れてしまいました。
倒れた大杉から、阿弥陀如来像が造られ、安置されています。
実は、突風で大杉が倒れたときに、下敷きとなって亡くなった方がおり、その方の供養のために阿弥陀如来像が造られました。
優しいお顔の阿弥陀如来像は、燃やすしかない大杉から製材された角材から掘り出されたものです。
瑠璃殿という薬師堂
かつては瑠璃色に輝いていたと思われる天井絵がある薬師堂は、場所がわかりにくいのですが、必見ポイントのひとつ。
村の鎮守である鹿島神社からは、前沢集落全体が望めます。
また、西の山中の湧水が水路となって東西の古道沿いに流れ、水場が7ヶ所残されていて、清いせせらぎを見ることができます。
福島県内の重要伝統的建造物群保存地区としては、大内宿が有名ですが、前沢曲家集落は大内宿ほど観光地化されていない、のどかな集落です。
入場料として300円/人が必要です。
会津高原尾瀬口駅から路線バス
前沢曲家集落へは、会津鉄道の会津高原尾瀬口駅から乗車できる路線バスで行くことができます。
会津高原尾瀬口駅で乗車し、前沢向で下車。
最短34分ですが、本数が少なく、2時間に1本くらいとなります。
電子マネーは利用できませんので、現金での支払いとなります。
檜枝岐の舞台は、年に3回上演される農村歌舞伎のための舞台であり、江戸時代に建造され、1976年8月23日、国指定重要有形民俗文化財に指定されました。
鎮守神に面して建っており、舞台を囲むすり鉢状です。
福島県内で1位、2位を争う人気観光スポットとなっている大内宿は、山深い下郷町にあります。
大内宿には、30軒以上の茅葺き屋根の民家が立ち並び、江戸時代の宿場町がそのまま保存されています。
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