バブル期に温泉旅館に
大玉温泉 金泉閣は、昭和の終わり頃(バブル期)に、金泉閣主人ご夫妻のお祖父様が、当時はなにもない林を購入し、温泉を掘り当てて、温泉旅館にしたのだそうです。
金泉閣主人ご夫妻は、なんと横浜出身で、お祖父様が残した温泉旅館を引き継いで、現在にいたるとのこと。
バブル期の建築物らしい、豪華さを備えた建物ですが、経年による味わいもあり、一度は泊まってみたくなる温泉旅館です。
金泉閣のいたるところに銘木と思われる材料が使用され、ロビーの床柱には、会津産だという樹齢300年以上はありそうな銘木がたっています。
自家源泉かけ流しの宿
金泉閣は、『究極の源泉宿73――誰も書かない“源泉かけ流し"の真実』のなかにも紹介されているほど、源泉の管理・提供方法に気をつかっています。
金泉閣の源泉は、50メートルほど山側にあり、地下1200メートルから汲み上げています。
源泉は、温泉小屋にあるタンクに12トン貯湯し、内風呂から露天風呂へと引いています。
温泉資源の保護育成のため、ポンプでの汲み上げはタンク内の湯量が減少したときだけ行っているとのこだわりぶりです。
また、加温・加水・再利用は行っておらず、殺菌剤も不使用。
浴槽内の掃除は、高圧洗浄機によって行われていますので、とても清潔です。
切り傷に効果が高いアルカリ性高温泉
金泉閣の泉質は、ナトリウム-炭酸水素塩泉(純重曹泉)で、低張性-弱アルカリ性-高温泉です。
きりきずや、末梢神経障害、冷え性、皮膚乾燥症などに効果がある温泉です。
源泉温度は63.1℃、pH8.1で、ぬるみのある温泉で、湧出量は85.4リットル/分あります。
浴槽の温度は、入りやすい温度になっていますが、表面温度はやや高めなので、かき混ぜてから入ったほうが良いようです。
かけ湯は湯船からたっぷりと
金泉閣では、湯船に入る前のかけ湯は、湯船からたっぷりと使うようにお願いしています。
その理由は、湯船から汲み出した分だけ、新鮮な温泉に入れ替わるため。
湯船の温泉が汚れてしまうと、殺菌剤などを使用しなければならなくなるため、できるだけ湯船から古い温泉を汲み出し、いつも新鮮な温泉の状態にすることによって、源泉かけ流しが守られるというのが、金泉閣の考えなのです。
ですから、かけ湯はたっぷりと、湯船から行ってください。
ただし、先客がいるときは、かけ湯は遠慮し、周囲へ心配りしてほしい、とも注意書きにありますので、ぜひ読んでみてください。
JR本宮駅からタクシーで25分
大玉温泉 金泉閣までは、大玉村の広域生活バス「岳線」を利用することも可能ですが、一日4便しかないため、タクシーを利用するしかありません。
タクシー料金は、片道3500円程度です。
なお、大玉村広域生活バスについては下記URLで確認してください。
https://www.vill.otama.fukushima.jp/profile/access/bus/
岳温泉と大玉温泉 金泉閣は、とても近いので、温泉巡りも楽しめます。
明治末期に、本宮町の豪農・伊藤弥氏の別荘として、8年の歳月をかけて造られた邸宅、蛇の鼻御殿が、平成8年に国の登録有形文化財に登録されました。
鹿の間、老松の間、千鳥の間、黒柿の間、梅の間などがあり、書画や障屏画などが残されています。