磐梯熱海温泉の温泉街の近くには、安積疏水神社があります。

安積疏水神社は、その名が示すとおり、安積疏水の守護神です。

1879年（明治12年）に五百川架樋の工事成功祈願のために創建され、湯治の工事作業員が、現地に向かう際に必ず立ち寄り、その日の安全を祈ったとされます。

五百川沿いにお祀りされていますが、低地の奥まった場所にあるため、少しわかりにくいかもしれません。

安積疏水（あさかそすい）は、猪苗代湖の水を、郡山市とその周辺地域の安積原野に、農業用水・工業用水・飲用水として供給している疏水のことです。

那須疏水（栃木県）、琵琶湖疏水（滋賀県琵琶湖 - 京都市）と並ぶ日本三大疏水の1つです。

1878年（明治11年）に、オランダ人技師ファン・ドールンは明治政府に命じられ、猪苗代湖から安積野原野一帯の調査を行います。

その調査の結果、安積疏水の開削が決まります。

1879年（明治12年）には、国直轄の農業水利事業第1号地区として着工。

日本海への流量を調整して水位を保持する十六橋水門、安積地方へ取水する山潟水門が建設されます。

延べ85万人の労力と総工費40万7000円（約400億円）をかけて、全長130kmに及ぶ水路工事が、わずか3年で完成しました。

安積疏水によって、郡山市とその周辺は、一大穀倉地帯に変わりました。

郡山市は、平成の大合併で新潟市が拡大する前まで、米穀生産量日本一の市でした。

1898年（明治31年）には、安積疏水に水力発電所が設置されます。

その電力を利用した製糸業が発達し、1908年（明治41年）からは飲用水としても利用されるようになります。

2016年には、日本遺産の一つとして「未来を拓いた「一本の水路」～大久保利通“最期の夢”と開拓者の軌跡 郡山・猪苗代～」が、文化庁により選ばれました。

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https://www.kanko-koriyama.gr.jp/asaka-sosui/cultural/cultural27.html

安積疏水神社へは、磐梯熱海駅から徒歩で約10分ほど。

磐越西線の線路を渡り、大峰不動尊方面につづく道に進みます。

橋を渡ると、上の写真が右手に見えますので、これを過ぎてすぐの道を右手に入り、坂を降りた場所に安積疏水神社があります。