隈戸川に面した西向きの断崖に、薬師如来1体、阿弥陀如来1体、地蔵菩薩1体、聖観音菩薩10体、不空羂索観音菩薩8体、千手観音菩薩5体、如意輪観音菩薩5体、馬頭観音菩薩2体、准胝観音菩薩1体、十一面観音菩薩1体のほか、尊名不詳2体の合計37体、像高40cmから60cmの仏像が彫刻されています。

これらの磨崖仏は、大きさや作風から、同時期に彫刻されたものと考えられています。

文化2年（1805年）の「白河風土記」に、三十三観音という記述があることから、これ以前に彫刻されていたことがわかります。

作風から18世紀後半のものと推定されています。

磨崖仏がある断崖の上、馬尾の滝の上に、滝八神社が鎮座しています。

とはいっても、赤い鳥居と灯籠があるだけで、社屋はありません。

もしかすると、馬尾の滝そのものが御神体ということなのかもしれません。

「白河風土記」には、滝八幡宮の記述があり、康平年中（1058年～64年）の前九年の役のころ、源義家が凱旋のおりに、矢柄で屋根を葺き、建立したと伝えています。

これが「矢葺（矢吹）」の地名のゆかりとなっています。

また、中世矢吹氏の舘跡の「袖ケ城（袖ヶ館城跡）」も近くにあります。

公園として整備されていますから、駐車場やトイレ、東屋などがあります。

三十三観音磨崖仏群と史跡公園は、JR矢吹駅から徒歩で15分程度ですが、タクシーなどを利用されるほうが良いかもしれません。

タクシーは現金のみという場合が多いので、現金を用意してください。