奥州三古関のひとつ白河関(しらかわのせき)
国指定史跡である白河関は、奥州三古関のひとつです。
奥州三古関とは、白河関(白河市)、勿来関(いわき市)、念珠ヶ関(山形県鶴岡市)のことで、奈良時代から平安時代に機能していた国境の関を指します。
現代で言えば、税関であり入国管理局のような役割を果たしていたと考えられています。
これらの古関は、その後、歌枕(和歌の名所)として憧れの場所となり、いくつもの和歌に残されています。
平兼盛
たよりあらばいかで都へ告げやらむけふ白河の関は越えぬと
能因法師
都をば霞とともにたちしかど秋風ぞ吹く白河の関
梶原景季
見る人のたちしとまれば卯の花のさける垣根や白河の関
の歌碑が、明治22年に作られ、残されています。
現在は、白河関跡には白河神社がありますので、ぜひお参りしてください。
白河神社とは?
白河神社の御祭神は次のとおりです。
白河国造(しらかわのくにのみやつこ)鹽伊乃自直命(しおいのこじのあたいのみこと)
天太玉命(あめのふとたまのみこと)
中筒男命(なかつつおのみこと)
衣通姫命(そのとおりひめのみこと)
第13代成務天皇5年(135年)に、白河国造(しらかわのくにのみやつこ)と天太玉命(あめのふとたまのみこと)を勅命によりお祀りして鎮座したのが、白河神社です。
2000年近い歴史がある神社であり、伊達政宗や松平定信が改築、奉納しています。
また、大相撲二所ノ関部屋発祥の地とされ、二所ノ関古式相撲が、8月に奉納されます。
カタクリの花と東一華(あづまいちげ)群生地
白河関跡は、カタクリの花と東一華の群生地となっており、4月から5月にかけて、見頃を迎えます。
国指定史跡内に群生しているので、カタクリの花や東一華は、手付かずの自然のなかにあります。
カタクリの花が咲きそろう4月には、隣接する白河関の森公園で、「かたくりまつり」が開催されます。
また、5月下旬からは、藤の大木が花を咲かせ、見事です。
白河関の森公園
白河関跡に隣接して、白河関の森公園があります。
駐車場のほか、飲食施設などが完備されており、地元の物産品も購入できます。
JR新白河駅から路線バスで
白河関跡までは、JR新白河駅前から出ている路線バス「白河・白河の関線」で行くことができます。
JR白河駅からは、バス停まで歩きますので、新白河駅のほうが便利です。
路線バス「白河・白河の関線」の、関の森公園で下車すると、白河関の森公園の正面に到着します。
所要時間は45分ほど。
バス料金は780円で、SUICAなどの交通系電子マネーは利用できません。