蓮と天海僧正で有名な龍興寺
龍興寺は、初夏から夏にかけては蓮の花で有名なお寺です。
そして、龍興寺で得度したという天海僧正ゆかりの寺としても知られています。
嘉祥年中(848~850年)に、慈覚大師が開山として伝えられている古刹です。
国宝の「一字蓮台法華経」や、福島県指定重要文化財「絹本著色両界曼陀羅」を所蔵していることでも知られています。
福島県内では、龍興寺の蓮の開花がニュースになりますが、規模は小さく、見ごたえという点では、鹿嶋神社(鏡石町)の前の池に、大賀ハスが池いっぱいにひろがる様子には劣ります。
しかし、複数の種類の大輪の蓮がみられるので、珍しい種類に興味がある方にはおすすめです。
鬱蒼とした神域には3つの参道
国宝の「一字蓮台法華経」は、福島県内には3つしかない国宝のひとつです。
法華経が最も盛んに信仰されていた平安後期作と推定されています。
蓮華の花の形をした仏像の台「五色の蓮台」は、「群青」「丹」「緑青」「銀泥」「金泥」等で彩色されたあざやかな台座が描かれているそうです。
経文の一文字を仏と見立てて、五色の蓮台の上に乗せるように書写した「一字蓮台法華経」は、書き終えるまで280年を要したと伝わっており、1952年(昭和27年)に国宝に指定されました。
なんと、事前に予約すれば国宝が拝観できるのです。
龍興寺:0242-54-2446
天海僧正ゆかりの浮身観音堂
龍興寺の『浮身観音』は、天海が随風という名で修行していた頃、永禄2年(1559)に、「浮目」と呼ばれる水田に仏さまがいらっしゃるという夢をみて、土仏観音像を発見します。
後に、この土仏を模して木造の観音像をつくり祀ったとされています。
浮身観音堂は、会津三十三観音の番外札所となっています。
観音像は、浮身観音堂の秘仏として納められており 毎年11月3日に御開帳となります。
天海僧正とは?
天海僧正とは、徳川家康の側近として働きました。
家康、秀忠、家光の3代に仕え、108歳で亡くなったと伝わっています。
その天海の両親の墓が、龍興寺にはあります。
天海僧正の略歴
年号 |
事柄 |
1536年(天文5) | 会津美里町に生まれる。幼名は兵太郎。父は舟木景光、母は蘆名氏。 |
1546年(天文15) | 稲荷堂別当の弁誉にともなって、龍興寺において得度し、隋風と称する。 |
1549年(天文18) ~1561年(永禄4) |
このころ各地に遊学し、天台宗や法相宗の名刹や、足利学校に学ぶ。 |
1571年(元亀2) |
織田信長の比叡山の焼き討ちにより甲斐へ行き、武田信玄の帰依を受ける。 |
1573年(天正元) |
蘆名盛氏の請を受け、会津に戻り、稲荷堂の別当となり、約10年滞在。 |
1582年(天正10) |
会津天寧寺の仁庵善如に、禅の教えを受ける。 |
1589年(天正17) |
蘆名家が伊達政宗に敗れ、二十代義広を護って、常陸に落ちる。 |
1590年(天正18) |
川越の無量寿寺において豪海権僧正に師事し、天海と改める。 この年に、徳川家康と出会う。 |
1609年(慶長14) |
比叡山の東塔・南光坊に住し、勅命により後陽成天皇に進講。 権僧正となる。 |
1610年(慶長15) |
駿府において家康に天台論議を開く。 |
1616年(元和2) |
家康を看病し、家康の死後の祭祀の遺言を聞く。家康没。 大僧正となる。 |
1625年(寛永2) |
東叡山寛永寺の建立に着手。 |
1636年(寛永13) |
日光東照宮の再造営がはじまる。 |
1643年(寛永20) |
病没。 |
1648年(慶安元) |
朝廷より「慈眼大師」の諡号を賜る。 |
龍興寺から伊佐須美神社へとつながる、古い町並みの通りには、慈眼大師(天海)が誕生した地の碑が建っています。
また、通りは、天海大僧正通りという名称となっています。
天海僧正が植えたとされる桧(ひのき)が、伊佐須美神社にありますので、こちらもご覧になってください。
交通・アクセス
龍興寺へは車で行くのが一番ですが、JR会津若松駅から会津バスが出ています。
JR会津若松駅前のバスターミナルではなく、道路をわたったところにある高速バスのほうのターミナルから出ていますので、注意してください。
永井野行きで「大沼高校前」バス停を下車するのが良いです。
料金は690円(2018年7月)、所要時間は30分程度です。
SUICAは使えません。
バスを降りたら、振り返ると、目立つ看板が見えます。
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