五色沼とは?
五色沼は、正式には五色沼湖沼群とよばれます。毘沙門沼、赤沼、みどろ沼、弁天沼、瑠璃沼、青沼など、大小さまざまな沼で構成されています。
裏磐梯地域の景観は、1888年7月15日に起きた水蒸気爆発により、磐梯山頂北側、小磐梯を含む部分が山体崩壊を起こしたために長瀬川をせき止めたことから、形成されました。
このときの噴火は、磐梯型と称される噴火形式の名称が残るほど、世界的な噴火でした。
この時の噴火で数百の湖沼がつくられ、大きいものに秋元湖、小野川湖、桧原湖があります。
これらの湖のあいだに位置する数十の湖沼群や地域が五色沼と呼ばれています。
沼に流入している火山性の水質の影響や、植物や藻などにより、五色沼湖沼群は緑、赤、青などの様々な色彩を見せます。その色彩から「五色沼」という名称で呼ばれるようになりました。
五色沼の色の秘密
五色沼は実にさまざまな色彩を見せてくれますが、その色の秘密はどんなところにあるのでしょうか。
五色沼の多くは、磐梯山の火口付近にある銅沼付近から発する地下水を水源としてつながっています。
吾妻山系の水が流入する桧原湖や磐梯山の深層地下水などが混入していることから,沼ごとに少しずつ異なる水質となっています。
この水質の違いが、五色沼の色彩の豊かさを生み出しています。
たとえば赤沼では、アシの根元に酸化鉄の沈殿物が付着することで、赤く見えます。
また五色沼の水の色は、水中の微粒子の大きさにより異なります。
大きな微粒子には光のスペクトルが含まれています。
アロフェンは主としてアルミニウムや珪酸などからできていることから、青沼、瑠璃沼、弁天沼、竜沼、みどろ沼や毘沙門沼はアロフェンのために青白色になります。
磐梯山の噴火口から五色沼方面へ流れ出ている酸性の水は、温泉のアルカリ成分によって中和されています。
このことから、強酸性の水では形成されないアロフェンが五色沼には多く含まれていると考えられています。
五色沼の生物
五色沼の微妙に異なる水質は、他の地域ではあまりみられない、特殊で貴重な水生生物が生育できる条件を備えています。
なかでも、瑠璃沼や青沼の湖底でみられる半球状のウカミカマゴケ・マットは、国の天然記念物「阿寒湖のマリモ」にも匹敵する貴重なものです。
五色沼湖沼群では、動植物の採集が禁止されている国立公園の特別保護地区にあることから,希少種や絶滅危惧種も多数生息しています。
しかし、オオハンゴンソウやコカナダモ、キショウブ、ウチダザリガニなど、特定外来生物や侵略的外来生物の侵入による影響も問題になってきています。
そのため、貴重な自然環境や景観を維持するための方策が求められています。
五色沼自然探勝路とは?
五色沼湖沼群には自然探勝路が整備されています。
この五色沼探勝路周辺には、大小30余りの小湖沼が点在し、空の色や風、また季節により微妙に色が変わることから、多くの観光客が訪れる観光地となっています。
五色沼自然探勝路は、トレッキングコースとしても人気のスポットです。
五色沼自然探勝路は、ほぼ平坦な整備された道が続き、磐梯朝日国立公園内の美しい森林のなかを歩くことができます。
虫や野鳥、五色沼周辺の野草なども観察ポイントです。
ゆっくり歩いても1時間半くらいで歩くことができます。
遠藤現夢(十次郎)なくして、今の五色沼自然探勝路はない、と言っても過言ではないでしょう。
五色沼周辺は磐梯山の噴火の影響が最も大きかった地域で、噴火後10年以上経っても土砂と岩石で荒れ果てた土地でした。
この荒れ果てた土地の緑化事業を進めるたのが、会津で醸造業を営んでいた遠藤現夢(十次郎)です。
私財を投じて植林活動をはじめ、アカマツ5万本、杉苗3万本、漆苗2万本を植えたと伝わっています。
その規模は、1,339万平方メートル(東京ドーム約286個分)におよぶ広大なものでした。
遠藤現夢(十次郎)とは?
遠藤現夢(1864年1月10日ー1934年12月6日)は、磐梯高原(裏磐梯)緑化の父と呼ばれています。
1864年(元治元年)生れ。
現夢による植林は会津若松の鶴ヶ城にはじまります。
現夢は城の近くに住んでいたため、松平家からその手入れを任せられます。
当時の鶴ヶ城跡にはほとんど桜はありませんでしたが、1908年(明治41年)に城跡近くに陸軍歩兵連隊が設置された記念として、1000本に及ぶソメイヨシノを植えました。
後に松平家の霊廟、猪苗代町の見禰山にもスギの植林を行っています。
大正8年(1910年)には、五色沼周辺の荒廃した土地の払い下げを受け、アカマツ、スギ、漆を植林しました。
このときの払い下げには、林学者・農商務官僚・政治家である中村弥六が、原敬首相総理に働きかけたといわれ、その名は五色沼に「弥六沼」として残ります。
中村は技術的なアドバイザーでもありました。
最大の難問は、アカマツを根付かせることだったそうで、中村弥六と一緒に技術開発を行いました。
植林の現場に20年住み着いて森作りを監督した斉藤丹之丞。
呉服商の宮森太左衛門は資金面でサポートしました。
裏磐梯緑化の父と呼ばれる遠藤現夢が生前に建てた墓が、裏磐梯物産館より入り柳沼を越えて間もなくのところにあります。
いまや原生林のように育った樹々のなかに細い小道があります。
「こんなところにあるのかな?」
という場所になりますので、途中であきらめないでください。
時間があったら、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
磐梯朝日国立公園とは?
磐梯朝日国立公園は、出羽三山、朝日連峰、飯豊連峰、吾妻連峰、磐梯山、猪苗代湖までの広大な範囲におよぶ陸域では2番目に大きな国立公園です。
出羽三山は山岳信仰の地として名高く、飯豊・朝日連峰は原始性の高い自然環境が残っています。
吾妻連峰や磐梯山周辺は、火山が造った迫力のある景観や、大小の湖沼と森などの美しい景観が魅力になっています。
毘沙門沼
毘沙門沼は五色沼の中で一番大きく、唯一ボートに乗って遊覧できる沼です。
pHは酸性で5程度。
他の沼にくらべ酸性度が低いのが特徴です。
環境省レッドリストで準絶滅危惧種に指定されているヒメタヌキモが生育しています。
また長野県、青森県、山形県、新潟県、福島県にしか分布しない、アマゴイルリトンボの幼虫が多数生息しています。
展望台からハイキングコースへ入って行くと鯉がたくさん泳いでいます。
この鯉の中に1匹だけ体に赤いハートのマークがあるものがいるそうです。
見つけると幸せになれるそうです。
赤沼
赤沼の周囲の草木は赤い鉄錆色に染まっていることから、赤沼という名前になりました。
pHは酸性で4程度。
流入口を持たない独立水系の湖沼です。
鉄分の含有量が多く、他の湖沼とは水質が異なります。
強い酸性の水質ですがオオルリボシヤンマやホソクロマメゲンゴロウなどが確認されています。
毘沙門沼から赤沼までは、思っている以上に距離があるかもしれません。
みどろ(深泥)沼
3つの色の水を持つみどろ(深泥)沼。
pHは6~7。
場所によって異なった水質を持つという特徴があります。
弁天沼
五色沼の中で2番目に大きい弁天沼。
pHは酸性で4~5。
弁天沼は、美しい水の向こうに吾妻連峰が見える展望のいい場所です。
周辺にはベンチが設置された休憩ポイントがあり、展望台より沼が間近に見えます。
瑠璃沼
五色沼のなかで最でも神秘的といわれる瑠璃沼は、見る場所により水の色が変わります。
pHは酸性で4~5。
五色沼湖沼群のなかで、もっとも上流にあります。
環境省レッドリストにおいて準絶滅危惧種に指定されているイヌタヌキモが生育しており、展望場所からも間近に観察できます。
瑠璃沼は青沼のすぐ脇、反対側にあります。
すこし斜面を上ると展望台とベンチがあり、そこから瑠璃沼と磐梯山の姿を見ることができます。
青沼
青沼は最も青白色に光っている沼。
pHは酸性で4~6。
オオルリボシヤンマやホソクロマメゲンゴロウなどが確認されています。
青沼の脇を「五色沼入口」の方へ進むと、高い位置から眺められるポイントがいくつかあります。
柳沼
裏磐梯物産館近くの沼。
pHは6.5~7。
弁天沼のつぎに大きく、弥六沼とほぼ同じ大きさです。
早朝は風が吹いていないことが多いため、鏡のような湖面に周りの景色が映り込みます。
透明度が高いため、その美しさは格別です。
桧原湖のすぐそばにありますから、五色沼自然探勝路を歩かなくとも、この絶景はみることができます。
五色沼湖沼群をいろどる水の流れ
五色沼自然探勝路を歩いていると、ごうごうと流れ落ちる川の音、しずかに流れるせせらぎなどが聞こえてきます。
そんな水辺をいくつか紹介します。
熊に注意!
五色沼周辺は熊の生息地でもあるため、「熊鈴」のような、音の出るものをもって歩きましょう。
また、裏磐梯高原駅からスタートすると下りが多いので、すこしでもラクしたいという方は、裏磐梯高原駅からスタートしてはいかがでしょうか。
福島大学 五色沼湖沼群案内
http://www.sss.fukushima-u.ac.jp/bandai-asahi-project/12100501.html
福島大学 磐梯朝日国立公園案内
http://www.sss.fukushima-u.ac.jp/bandai-asahi-project/p005.html
ダリの常設美術館としては、ダリ劇場美術館(スペイン・フィゲラス)、ダリ美術館(アメリカ・フロリダ)に次いで世界でも3館目として開館していて、彫刻のほか、名作とされる作品も充実しています。
風光明媚な環境にあり、周辺散策もおすすめです。
紅葉の名所として知られる中津川渓谷は、秋元湖にそそぐ中津川が形作った渓谷です。
カエデ、ハンノキ、ヤマザクラなど、自然のままに残された樹木が紅葉する様子が美しい場所です。
磐梯吾妻レークラインの橋からの眺めが、イチオシの絶景です。
源泉の湧出量が毎分13,400リットルもあり、単一の湧出口からの湧出量としては日本一。湯治場として栄えた温泉地であり、宝暦年間(1751年)のころから利用されてきたという歴史があります。
【泉質】酸性含硫黄硫酸塩塩化物温泉
【源泉温度】68.3℃
【適応症】胃腸病、リウマチ性疾患、慢性皮膚疾患、運動機能障害、慢性胃腸病、関節痛、水虫、痔、糖尿病、高血圧、切り傷、外傷、手術後の傷など殺菌力を期待するもの
【飲泉可能】
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